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現場NOW  『Mさんのお住まい−A』            2005..03上棟
1階和室の天井は、2階床梁をそのまま見せます。
天井板は、杉のJパネルを床梁に載せたものです。
厚さが36ミリもありますから、一般的な根太レス合板28ミリよりも丈夫です。
柔らかい杉材ですから、床の歩行音も優しく、断熱性などもその比ではありません。

1階の居間は高天井です。
屋根の勾配に沿って2階の軒高まであります。
屋根を受ける垂木(たるき)、
垂木を受ける母屋(もや)、
母屋を受ける小屋束(つか)、
小屋束を受ける小屋梁など・・・
みんな杉の集成梁を使っています。
天井板兼野地(のじ)板も、厚みが36ミリもある杉のJパネル使用
断熱材30ミリ厚を使用したうえに通気層を設け、
屋根は耐久性抜群の陶器瓦(平板)を使用しました。
ローコストを図るには金属板屋根を用いがちですが、
耐久性と省メンテナンス性を兼ね備えた陶器瓦のほうが
長い目で見ればローコストです。

外壁がほぼできた段階です。
お施主様の好みと、耐久性と省メンテナンス性から
ガルバニウム(GL)鋼板素地(塗装なし)です。
ギンギラギンなことから、好き嫌いもあると思いますが
耐久性は長く、無塗装なため
塗装鋼板やサイディング材などと比べメンテナンスも楽です。
色合いも年月の経過とともに次第に落ち着いてきます。

ほとんどの部屋の床は、お施主様のご希望で杉の縁甲板です。
居間・食堂は、豊夢創屋のピアノを置いてある部分と同じ仕様で
厚さが40ミリもあります。
その他は、15ミリ厚の縁甲板。
たっての希望で、台所と洗面所まで張ります。
ビニル・プラスチック系の素材は極力排除しました。

2階の階段ホール・主寝室書斎・子ども室の天井はこんな感じ
みんな杉の本実(釘打ちが見えない)加工板です。
床も杉、造作材(敷居も鴨居も窓枠板など)もみんな杉の無垢材
壁は塗り壁(珪藻系)という念の入れようです
造作工事後の木材保護塗料&ワックス(リボス)塗布は
お施主様にセルフ工事していただいております。
ローコスト化と、家族みんなの思い出づくりを兼ねて・・・


【2005.06.11現場にて】
 造作(建物内部)工事も残りわずかとなってきました。
大工さんは、お施主様のお知り合いで、設計・監理者である私とは初めてのお付き合い。
ちょっと難しい納まりをお願いしてしまったオール杉の無垢材を使用した階段造作工事
もう1週間以上も階段にかかりっきりの大工さん(息子兄)がポツリ・・・
「こんなに道具使ったの久しぶりだよぉ〜!」

それもそのはず、普通の家(90%以上?)の階段はプレカット(事前に工場で切り欠きをする)
なので組み立てるのに一日かかるか?どうか・・・
ドア枠然り、窓枠然り・・・
鑿(のみ)や鉋(かんな)なんて、まず使わない。
鋸(のこぎり)や玄能(かなづち)もあんまり使わない。・・・

大工さんのイメージが覆る!
信じられないかもしれないが、笑うに笑えない本当の話。
近年の住宅を構成する部材のほとんどは工場で製作されて運ばれてくる。
柱や梁は、材木屋からプレカット工場へ運ばれ、
コンピューター制御の機械に切り刻まれて現場へ運ばれ
所定の場所へレッカー(クレーン)に吊り上げられ大工さんが組んでいく。

ドア枠や窓枠などにいたっては、予め既製品のサイズを選んで発注するだけ。
大工さんは、ダンボール梱包を解いてインパクトドライバー(電気ネジ回し)で組み立てるだけ・・・
そこにどんな技量がいろうか?
要領さえのみこめれば誰にでも同じ出来栄えに組み立てることができる。

「ほんと、丸鋸(電気鋸)と釘打ち機とインパクトドライバー持ってりゃぁほとんどできちゃう!」
と彼は笑ってた。
面倒な仕事をやらせてくれやがって!

久々に良い仕事が出来た!

という満足感に満ちたいい顔をしていた。


構造 外装 内装 その他
◆構造 木造在来軸組造
◆屋根 洋風平板粘土瓦
◆外壁 ガルバニウム鋼板
      Kスパン 素地
◆軒裏 けいカル板塗装
◆サッシ トステム
       シャイングレー
◆屋根断熱 一部通気層
◆外壁断熱
  グラスウール100o


◆床 杉無垢縁甲板40o
    杉無垢縁甲板15o
◆壁 しっくい
    珪藻じゅらく
◆天井 杉源平本実板12o
     杉Jパネル36o

◆予算の許す限りに杉の香ただようローコスト住宅。
◆外部は、一団の分譲地の中では目に付くガルバニウム鋼板素地の外壁
◆1階居間・和室・玄関ホールの天井は杉パネルの家と同じ仕様
◆床もほとんど全てに杉の縁甲板を使用します。素足で歩く感触を大事にしました。

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