I邸新築ドキュメント TOP 木の住まいについての
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豊夢創屋建築設計事務所 藤森福夫
(着工後は写真付き)

  

住まいへの想いを形にしてみたら・・・
1月 Iさんの住まいへの想いは? 2001.1 プレゼンテーション
2月 プレゼン図面を叩き台に
3月 間取り案をさらに煮詰めて・・・
4月 杉の家なんかどう?
5月 概算見積り額にビックリ! 2001.5 本設計開始
6月 本設計終了!見積り額がコワイ
7月 乗りかかった船だ! 出航! 2001.7.26仮住まい引越し
8月 住み慣れた住まいヨ さらば? 2001.8.1旧家屋解体開始
9月 さあ着工! 2001.9.20基礎工事開始
10月 月末の上棟に、刻みを急ピッチで! 2001.10.25上棟
11月 設計屋が大工(手伝い?)に変身!
12月 だんだん完成に近づいてきました。
1月 ラストスパート 2002.01.24引越し

住まいへの想いを形にしてみたら・・・
以前から「建てるときは頼むよ!」とI氏に言われていた。
建築の期限が決まっていないなら、
とりあえず「Iさんの想いを間取り図にしてみたら・・・・・」
これが、I邸新築物語の始まり・・・・・

早速、3Dマイホームデザイナーのソフトを買ってきたI氏は、
夜な夜なI氏や家族の想いをマウスにのせていたらしい

設計に先立ち一般的には、
建築主の住まいへの想いや条件、家族構成、趣味などを
“根掘り葉掘り”訊きだすことから始めますが、
初めからプライバシーに関わることまで事細かに訊き出す必要があるのかな?

新聞広告の裏でも、方眼紙でも構わない。
最近は、家庭内にも電脳化が進んでいますから、
簡単なプレゼン用CADぐらい操作できるでしょう。

建築主には多少の負担をかけるが、
新居への想いが詰まった間取り図を見せてもらったほうが、
何も無い段階で訊き出すよりも一層の想いが伝わります。
(何も無いところからデザインするのがプロの建築家かもしれないが?)

これからは、環境面から長く住まうことができる住宅が望まれます。
住まい造りを思い立ったなら、
多少の労はいとわず計画から施工まで参加することで、
愛着の沸く住まい造りをされては如何でしょぅか?

メーカー選びに労を費やしたり、
建築誌に取り上げられるような建築家の名声を高めることに協力するよりも、
「この家、お父さんが子供の頃にみんなで設計して造ったんだぞ!!・・・」
と、語り継がれるのもいいんじゃないかな?

「これだけ予算あるから好きにやってくれ!」と云われるよりも、
お金はないけれども住まい造りへの情熱が満ち溢れている方に、
豊夢創屋は採算を度外視してでも喜んで協力してしまいます。
1月 Iさんの住まいへの想いは?



1月中旬頃、「専門家の目で見てみて!」と連絡。

階段の場所には苦労されたようで、
上下階のつながりや外観、構造(耐震性)まで考慮するとなると、
素人には多少難しいことだったかもしれません。
(あまり完璧にされてしまうと私の出番が無くなってしまいます。)

I氏の望みは、いたってシンプル
二人の娘さん巣立ってしまっても、夫婦二人で住める“終の棲家”
予算もあまりないので、
見た目の豪華さにとらわれなく40年住める住まいが欲しい。

それから、
玄関から家族の居る場所を通らないと
子供部屋に行くことができない間取り。

I氏やご家族の想いや生活の様子が伝わってくるようなプランでした。

2月 プレゼン図面を叩き台に



I氏の想いが詰め込まれた間取り図をもとに、
「こうしてみたらどうですか?」
というプレゼンテーション図面を作成。

「ワ〜凄い!さすが専門家!」という奥さん。
なんのことはない。
縮尺1/100の敷地配置兼平面図と簡単な断面図のA3サイズ1枚にまとめただけの簡単な図面です。

「玄関のこのスペースもったいない」
「お風呂の窓はこっちじゃないほうがいい」
などなど・・・・・・

今月は、2回の打ち合わせを重ね、間取り案は3案作成しました。

3月 間取り案をさらに煮詰めて・・・



C案、C-2案、D案、D-2案、E案、E-2案、F案、F-2案、G案まで作成して、
だいたいの方向が見えてきました。

初期の案では、
私の好みでは名案かなと思えても、
I氏にはイマイチだったみたいで、
あれこれと手直しを重ねるうちにだんだん迷路の中に・・・・

そこで発想を換え、
階段の位置を思い切って換えて見たら、
以外にも良かったみたいでE案以降はそれを軸に煮詰めていきました。

4月 杉の家なんかどう?



平面・立面の方向が見えてくると、
予算に照らし合わせてどこにどういう建築材料を使うかを考えなければなりません。

I氏の言う40年住める家、
それもなるべくメンテナンスフリー

それに環境や健康も配慮してI氏を考えると、
新建材やビニルクロスベタベタの住まいは造りお勧めできません。
そんな住まいをお望みならば、
I氏は初めからハウスメーカーを頼っていたでしょう。

そこで新発想の杉の家の登場です。
私は、かねてより「板倉の家」、
ここ遠州地方では「板壁工法」と呼ばれる工法に興味を抱いてましたが、
一長一短だなぁと思っていました。

ちょうどその後に杉板パネルの存在を知り、
杉板の代わりに
杉パネルを使ったなら
最強の“耐震”、“断熱”、“調湿”住宅
になると直感していました。

他の設計事務所のホームページの「板倉の家」の写真を見せるなり、
「いいと思うヨ」というI氏に対して、
奥さんは「いやダ〜」と反応

なんと言っても、
内装は床・壁・天井を杉の板目だらけ、
おまけに杉の柱も梁も丸見え状態。
奥さんの夢に描いたマイホームとは正反対ぐらいのカルチャーショックだったみたい。

でも、
そんな白亜の館のようなマイホームの10年、20年後を予想すると、
ビニルクロスの薄汚れたしみや剥れ、
張り物の新建材にもキズや剥れが目立ってくる。

それに比べると、
汚れやキズの目立つ柱や床板も所々テカテカに艶光りしている。
無垢の木材特有の温かみと清々しい香りが味わい深く感じられそうと、
奥さんも次第に納得。

まだまだ難問は続く。
頭の中で考えただけの教科書のない施工法だから、
いったいどれくらいの手間がかかるのだろうか?・・・・・
などなど・・・・・不安がつきまとう。
いったいどれくらい予算オーバーするのか分らない。

とりあえず、
概算見積りを取ってから本(実施)設計にかかることに・・・

5月 概算見積り額にビックリ!



予想はしていたが、
各職種の工事金額をTOTALすると目の玉が飛び出た!!!

建物骨組みからして一般住宅とは違う。
柱・梁材はすべて杉の4寸(12センチ)以上
一般には3.5寸(10.5センチ)が標準で、梁に一般的に使われる米松よりも杉は高い。
屋根垂木は一般住宅の柱と同寸の3.5寸角を使用するのだから・・・無理もない。

建坪37坪であまり大きくないことから少々割高感がある。
でも、同じ坪単価のメーカーハウスと比較して、
はるかに高品質な建物になっている。

杉の家は建物自体にこれだけの費用をかけている。
ところがメーカーハウスは、
メーカーから下請けまで経費や利益を差し引くといったい原価はいくらなんだ!

その辺のカラクリに理解のあるIさんは、
予算オーバーを覚悟の上で実施設計のGOサインをくれた。
設備や仕上げなどは我慢をしても、
骨組みをしっかり造りたいという想いが勝ったようです。

一般に住まい造りでは、
設備や仕上げの優劣に目を奪われがちですが、
10年も経つと、やはりみすぼらしくなります。

設備や仕上げのリフォームは安易におこなえますが、
骨組みに異常をきたしてしまうと大変なことになってしまいます。

本(実施)設計へ着手。
目標は月末!
チョット間に合わないかな?

6月 本設計終了!見積り額がコワイ



やはり無理だった。
本設計着手時期が遅れたことと、
一般的な構造でないことから詳細図や構造図が膨大な枚数になってしまった。
100枚をゆうに超え、
描いた私もビックリだが、もらったI氏もなおビックリ!
(設計料は赤字だなぁ〜)

なにはともあれ、見積り依頼ができる設計図がほぼ完成した。
末日を期限に各所へ見積り依頼。
見積り依頼にバラ撒く図面コピーの量も尋常ではない。

7月 乗りかかった船だ! 出航!



6月下旬から見積りが出てきて、
末日にはすべて揃った。
やはり概算見積りとは大きく違いはない。

一縷の望みは断ち切られた。
乗りかかった船にI氏も乗ってくれて、
ほぼ設計どおりに実施に向けて進みだした。

ほぼというのは、
2階のトイレ・洗面といった水廻りをとりやめる
などして総額を多少なりとも押えようという
I氏の犠牲の上で

今回の設計に際し、
I氏には本当に頭が下がりました。

この平成不況下、
設備の豪華さやビニルクロスの柄に目を奪われる人には、
質素な家にしか見てもらえないような家に、
多額の住宅ローンを負ってまで、
この「杉の家」の造りにご理解をいただきました。

この答えは、20年・30年経つと分ることでしょう。
ハウスメーカー風の家と、杉の家の違いが・・・

今、これから出来上がる杉の家を見て笑った人が、
メーカーハウスを建てて、20年後に泣いている姿が目に浮かびます。
こういう私の現在の住まいも、
新建材のかたまりのような住まいで、
10年が経った今、
あちらこちらにガタがきている状態ですからよく分ります。



26日(木) 旧宅より仮住まいのマンションへ引越し

軸組み模型  
【北西仰瞰】 【南東俯瞰】

8月 住み慣れた住まいヨ さらば?
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9月 さあ着工!
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10 月末の上棟に、刻みを急ピッチで!
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11 設計屋が大工(手伝い?)に変身!
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12

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1月

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